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加治 芳行; 宇賀地 弘和; 中野 純一*; 松井 義典; 川又 一夫; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
HPR-364, Vol.1 (CD-ROM), 10 Pages, 2005/10
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉のステンレス鋼製構造物の長期運転において、重要な課題の一つである。IASCCの研究分野では、照射下でのSCC試験を実施することは大変困難なため、おもに照射材を用いたPIEを実施している。したがって、照射下SCC試験の重要な技術として、負荷応力レベル,水化学,照射条件等の効果に関する情報を得るために試験技術の開発を行ってきた。本報告では、開発した種々の技術、特に試験片の荷重制御,き裂進展モニタリング技術などについて述べ、JMTRにおける照射済み材料を用いた照射下IASCC進展試験の現状についても述べる。
加治 芳行
Proceedings of KNS-AESJ Joint Summer School 2005 for Students and Young Researchers, 2, p.221 - 228, 2005/08
炉内構造物に対しては、主な研究項目は、BWRの炉心シュラウドや再循環系配管における低炭素ステンレス鋼の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)と中性子や線,高温水による腐食及び応力の同時作用効果により発生する照射誘起応力腐食割れ(IASCC)である。本講演では、IGSCC及びIASCCの機構論的理解のための基礎的な研究,経済産業省の国家プロジェクトの一環として実施している照射後IASCC試験データに基づくBWRプラントのIASCC評価技術開発及び照射下IASCC試験の現状と主な成果について紹介する。
宇賀地 弘和; 加治 芳行; 中野 純一*; 松井 義典; 川又 一男; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 12th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactors (CD-ROM), p.319 - 325, 2005/00
ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は軽水炉炉内機器の高経年化における重要な問題となっている。IASCCは中性子照射,応力及び高温高圧水環境が同時に作用して発生する現象であり、IASCCの機構解明のためにはその重畳効果を評価する必要があるが、炉内でのIASCC試験の実施が技術的に困難であるため、従来のIASCC研究は主として中性子照射を受けた材料を用いて炉外における照射後試験により実施されてきた。本研究では、原研大洗研の材料試験炉(JMTR)を用いて、沸騰水型軽水炉(BWR)の炉内環境を模擬した水質,温度及び圧力を高度に制御できる高温高圧水供給装置及び荷重負荷機構を有する照射下試験用キャプセルを開発するとともに、同キャプセルに照射済試験片を再装荷する技術を開発して、日本国内で初となる照射下SCC試験(き裂発生試験及びき裂進展試験)を実施している。本会議では、照射下試験のための技術開発及び照射下試験の現況について報告する。
柴田 大受; 菊地 孝行; 宮本 智司*; 小倉 一知*
Nuclear Engineering and Design, 223(2), p.133 - 143, 2003/08
被引用回数:1 パーセンタイル:10.87(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)は、様々な照射試験のために高温で大きな照射空間を提供することができる。HTTRの最初の照射設備としてI-I型材料照射試験用設備が開発された。これは、ステンレス鋼の照射下クリープ試験を標準サイズの大型試験片を用いて実施するためのものである。この設備では照射温度制御に炉内の高温の雰囲気を利用する設計としており、照射温度は550Cと600Cで3Cの変動範囲で実施することを目標としている。本研究は、試験片の照射温度の安定性を解析的及び実験的手法により評価したものである。まず、過渡状態における試験片温度の変化を有限要素法(FEM)により解析し、次にモックアップを用いて温度制御性を実験的に検証した。さらに、得られた結果をHTTRの出力上昇試験で測定された炉内黒鉛構造物の温度変化特性と比較検討した。その結果、I-I型材料照射試験用設備の温度制御方法が、安定な照射試験を実施するうえで有効であることを示した。
材料試験炉部
JAERI-Conf 97-006, 178 Pages, 1997/03
照射試験に係わる研究者、技術者が一同に会し、炉内試験の高度化について議論を深め、所内における横断的研究展開を進めるとともに、研究用原子炉における利用の効率的推進に役立てることを目的とする照射基盤ワークショップが1997年1月29日及び30日に、茨城県産業会館(水戸)において開催された。このなかで、国内の研究用原子炉の役割と将来計画、炉内照射試験への取り組み、関連周辺技術の開発、21世紀の炉内照射利用に係わる動向について講演ならびに討論が行われた。本報告書は、16件の講演の内容を収録したものである。また、当日実施した研究用原子炉の利用等に関するアンケート結果についても示した。
鈴木 忍; 池島 義昭; 河野 政勝; 渡邊 浩之; 佐藤 均; 田中 勲
JAERI-M 90-196, 45 Pages, 1990/11
OWL-2は、我が国最大規模のインパイル・ループとして1972年2月JMTRに設置されて以来、各種の動力炉用燃料・材料試料の照射試験及び炉工学的試験に使用されてきたが、所期の目的を達成したため廃止する計画である。廃止後には、JMTR改造計画の一環として核融合炉用増殖ブランケットの試験研究を進めて行くうえで必要な新ループの設置を予定している。本報告は、インパイル・ループの設計上考慮した点を中心に、廃止計画に至るまでの経緯と照射試験、タービン型流量計の開発、炉内管構造材のサーベイランステストの結果及び炉内管に発生したTGSCCとその防止対策などについてまとめたものである。
中田 宏勝; 猿田 徹; 寺田 博海; 露崎 典平; 福田 幸朔
JAERI-M 86-068, 17 Pages, 1986/04
材料試験炉(JMTR)に設置されているインパイルガスル-プ(OGL-1)は、高温ガス炉用燃料の開発に欠かせない照射装置であって、同ル-プにより燃料の性能確認の為の一連の照射試験が行われている。ル-プは昭和52年に完成し、以来9体の燃料要素が照射されており、照射中の燃料から放出される核分裂生成物を利用して、一次系EP濃度監視計装の開発と、EPプレ-トアウト測定も行われている。本稿では、これら照射試験の最近の成果について報告する。
柳澤 和章; T.Johnsen*
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(8), p.752 - 755, 1986/00
被引用回数:1 パーセンタイル:28.17(Nuclear Science & Technology)水路燃料棒のPCI破損機構を究明する上で有効な、炉内破損検出法を開発する目的で、過電流探傷試験(ECT等)による炉内破損検出実験及び同試料を対象とした炉外確認実験と照射後試験を行った。本報告の実験条件下に於ては、炉内・炉外ECTデータの対応性に関して相対的に再現性の良い結果を得る事ができた。即ち、(i)予備照射燃料棒(PWR用)をPCI破損させ、炉内ECTでその過程を追跡した結果、破損によって生じた被覆の外面割れを同定できた。(ii)補助計装機器として、燃料棒内圧測定装置及び直径測定装置を用いることにより、PCI破損は最高線出力50kW/mに到達後約90分で発生したこと、又その発生位置は燃料棒底部からの高さ1/3であることを確認できた。これらの結果は、PCI破損モデルを形成する為のデータベース作成のため、報告した実験法が1つの有力な手段として採用しうる事を示したものと考える。
藤城 俊夫; 小林 晋昇; 広瀬 誠; 丹沢 貞光; 吉田 博之*
JAERI-M 9104, 44 Pages, 1980/10
反応度事故条件下の燃料挙動に及ぼす冷却材の流動の影響を調べるため、NSRRにおいて、大気圧室温条件の強制流動下で行った燃料照射実験の結果をまとめたものである。実験は大気圧カプセルを使用し、単一燃料棒を内径16mmの流路管に収め、これを小型の水中ポンプを接続してカプセル内で強制循環させる方法により行った。実験条件としては、まず、冷却材流速の影響を把握するために、流速が0.3m/s,1.0m/s,1.8m/sの3通りの場合に同じ190cal/g.UOの発熱毒を与え、次に、燃料破損しきい値を知るために、流速1.8m/sで発熱量を徐々に上げ、最高310cal/g.UOまでの実験を行った。この結果、流速を1.8m/sとした場合には、同じ単一燃料棒を静水中において照射するNSRRの標準実験条件に比べ、同一発熱量を与えた時の被覆材最高温度が300~400C低く、また、破損しきい値も約30cal/g.UO高くなる等、冷却材流動が反応度事故条件下の燃料挙動に大きな影響を与える事が判明した。
小林 晋昇; 豊川 俊次
JAERI-M 8767, 68 Pages, 1980/03
本報告書は、今度、NSRR(Nuclear Safety Research Reactor)で完成した高温高圧力プセルについてまとめたものである。高圧力プセルは、実際的な動力炉の運転温度および圧力条件を模擬する高温高圧条件下の燃料破損実験に使用するものである。本カプセルについては、炉外および炉内において試運転試験を行った結果、高温高圧下のインパイル実験装置に必要な性能が確認でき、製作目的全般にわたって所定の成果か得られた。
小林 晋昇; 豊川 俊次
JAERI-M 8274, 53 Pages, 1979/06
本報告書は、NSRRで計画されている軽水動力炉の運転条件を模擬した燃料破損実験に使用する高温高圧水カプセルについての試作・開発の結果についてまとめたものである。試作・開発した装置については、設計・製作後に行った機能試験および性能試験の結果、試作目的全般にわたって所定の成果が得られた。今後、これらの得られた資料を十分に活用しインパイル実験のための製作を行うつもりである。
鬼沢 邦雄
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)事故以降、OECD/NEA加盟国等で新たな燃料・材料の開発が進められている。この燃料・材料開発の目的は、原子炉の事故、特に過酷事故への耐性を強化し、それにより原子炉の安全性を向上することである。そのような燃料の開発にあたっては、従来の燃料と同様に、燃料に関わる安全機能を維持するために多くの情報が必要である。燃料の安全性は、過酷事故時だけでなく、通常運転時、設計基準事故時、さらには輸送時等も含めて確認する必要がある。また、新燃料の安全性を確認するためには、信頼性の高い実験データベースと解析ツールを準備する必要がある。そのため、安全性に関する判断のための技術基盤として重要な情報である炉内照射データを収集する点で、試験炉とホットラボが重要な役割を担っている。本発表では、新燃料の開発や設計に関して、考慮すべき様々な条件下での安全上の要求事項を説明する。また、原子力機構の施設を例として試験炉やホットラボを利用する実験の重要性を述べる。